Good publication practiceのための5つのアドバイス

国際医学出版専門業協会(ISMPP)アジア大会から学んだこと

Wileyと国際医学出版専門業協会(ISMPP: International Society for Medical Publication Professionals)は、2016年11月に、アジア太平洋地域(東京、上海およびシンガポール)で教育ワークショップを成功裏に終了しました。

製薬業界、メディカルコミュニケーション・エージェンシー、医学出版社、病院そして学会からの参加者は皆、Good publication practiceについての知識を深め、各地域での課題や経験を共有することに関心を寄せていました。

この大会に参加されなかった方も、まだ遅くはありません! 今からでも、私たちがそこで共有した5つのアドバイスを学ぶことができます。

1. 国際的な指針を参照する

アジア太平洋地域において、大きな文化的違いがあることは間違いありません。けれども、「学術論文出版」となると、日本、中国あるいはシンガポールのどこに拠点を置いていようとも、オーサーシップの優先度など、皆同じような問題に直面しているようです。それらの問題点の中には、私たちの持つ尊敬・配慮、信条そして習慣のため、地域独特のものもあります。

運が良いことに、GPP3(Good Publication Practice 3)のような国際指針が、多くの出版に関し明快な理論的推薦を提供してくれます。どのような手続きを取るのが最善かを決定するには、まずはこのような指針を参照してみると良いでしょう。私たちの多くは、多国籍企業で働いていたり、あるいは一流の国際的ジャーナルに論文を発表したりすることを目指しているのですから、これら指針に従うという目的を支持しなければなりません。この指針を著者、顧客またはその他関係者に伝える際には、その土地の習慣に従い、注意深く行わなければなりません。

2. ある著者からのインプットが限られている-この地域独特の問題

忙しいスケジュール、言葉の壁、年長者の意見に反することに対する恐怖・・・これは、ある著者からのインプットが限られている理由として最もよく挙げられた点です。著者から、eメールで一言「同意します」というメッセージを受信できれば、それに越したことはありませんが、特に原稿の第一見直し段階にある場合には、警戒しなければなりません。これは、この地域独特の問題のようです。

 

著者は、出版された内容に責任があるということを頭に入れておきましょう。著者がコンテンツを完全に理解し、それに貢献し、同意することが非常に重要です。ワークショップで推奨されたアプローチは、以下の通りです。

– できれば、最初の概略を始める前に、各著者と研究テーマについて電話で話をします。そうすれば、各人の意見を早い段階で捕らえることができ、見直しに必要な時間がわずかですみます。

– 著者資格の取得に必要な条件を契約書にはっきりと示し強調します。

– できればテクノロジーを駆使し、文書が実際に開封されきちんと見直されたかどうかを追跡できるようにします。こうすることで、不安や疑念を取り除き、適切な行動を取ることができるようになります。

3. 年功序列制は優先制ではない

アジア太平洋地域では、年功序列制を配慮することはとても大切です。敬意を示すため、原稿への貢献度ではなく年齢の順に著者を配置することが一般に行われるようです。

GPP3指針は、著者を関与のレベルを基に列挙することを推奨しています。これが最大の貢献をしてくれた著者への感謝を示すプロフェッショナルな進め方です。

これはアジア太平洋地域でよく直面する課題です。何か反対があった場合には、GPP3指針を挙げることを勧めます。

4. 著者は支払いを受けるべきではないが・・・

これは、3つのワークショップであげられた著者に関する注目の話題で、混乱、質問そして討論を引き起こしました。指針には、著者は支払いを受け取らないとはっきり書かれていますが、その著者がそのリサーチ/研究に関連する他の活動に関わっている場合(例:データ分析)、この余分な時間への対価を支払うことは一般に行われています。

ワークショップでの話合いの結果として、追加の活動は個別契約書に明示し、プロジェクト開始時に署名を求めるようにすべきであるとの推薦が決定しました。著者は、追加のサポートに対しては支払いを受けることができますが、オーサーシップに対しては支払いを受けてはいけないということです。

5. 科学的プラットフォームは、あなたをサポートするためのもの

本社の同僚から押し付けられた科学的プラットフォームを使わなければならないのは、時に骨の折れる作業です。けれども、この投資にはちゃんとした理由があるのです。科学的プラットフォームは、正当性が認められ、根拠の明確なコンテンツを提供し、様々な地域/部署に渡って語彙を定めることで、基礎を築いてくれるからです。そして、プロジェクトの優先順位および実装において、ある程度の効率性も提供してくれます。一言で言えば、読者のニーズに沿った強く一貫した科学的なストーリーの展開に役に立つということです。

これは、新しい出版物または科学的データを含むその他のプロジェクトを展開する際に、非常に貴重な参照プラットフォームとなるはずです。

あなたの組織で使用されているプラットフォームが、地域のニーズを満たしていなければ、その懸念を取り上げ、どうすればその問題を解決することができるかについて、アドバイスを提供しましょう。プラットフォームを使わないというのは、通常、長期的な解決策ではありません。そのうちに、あなたの仕事に支障をきたす恐れがあります。

開発の初期段階であなたのニーズが考慮されていなかったら、またはニーズが時と共に変化してきた場合は、将来に向けてそのニーズが考慮されるようにしましょう。オンライン・プラットフォームは変更不能なわけではありません。変化するように作られているのです!

 

この記事の内容に関心があり、good publication practiceについてもっと学びたいと思われる方は、ぜひISMPPにご参加ください。ISMPPは、医学出版関係者のために医学出版専門家が設立した唯一の非営利組織です。ISMPPは、米国、欧州(英国を含む)そしてアジア太平洋地域に所在しています。会員になるための詳細およびあなたの地域での活動については、www.ismpp.orgをご覧ください。